カブス本拠地のツタはなぜ壁を覆う?消える白球と特別ルールの真相

目次
カブス本拠地のツタはなぜ壁を覆う?消える白球と特別ルールの真相
カブス本拠地のツタはなぜ壁を覆う?消える白球と特別ルールの真相
@ creator • Click to Play Video Inline
🎵 カブス本拠地のツタはなぜ壁を覆う?消える白球と特別ルールの真相

メジャーリーグ中継を見ていると、思わず目を奪われる緑の壁があります。シカゴ・カブスの本拠地「リグレー・フィールド」の外野フェンス一面を覆う青々としたツタです。近代的な巨大ドームやハイテクLEDビジョンが立ち並ぶ現在のMLBにおいて、1世紀を超える歴史を刻む赤レンガとツタのコントラストは、まさにアメリカのベースボール文化そのものを象徴する美しさを放っています。

しかし、この美しいツタを巡っては多くの疑問が絶えません。「なぜフェンスにツタが植えられたのか」「もし打球がツタの中に飛び込んでボールが消えてしまったらどうなるのか」――。実はそこには、球界の風雲児が仕掛けた奇抜な演出計画と、野球規則の隙間を埋めるために生まれた極めて厳格なグラウンドルールが存在します。2026年シーズンの最新現場事情を踏まえながら、リグレー・フィールドのツタが持つ歴史的背景と驚きの判定ルールを深掘りします。

📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
  • 要点1:1937年にプロモーションの天才ビル・ヴィークが考案し、殺風景なレンガ壁を美化するために植樹された伝統のシンボル。
  • 要点2:打球がツタに埋もれて見失った場合、外野手が両手を挙げて即座にアピールすれば「エンタイトル二塁打」が宣告される独自規定が存在。
  • 要点3:外野フェンスはクッションゼロの剥き出しレンガであり、外野手にとっては危険と隣り合わせの過酷な守備環境が現在も維持されている。

【植樹の真相】カブス球場ツタの理由とビル・ヴィークの植樹経緯

ボストンのフェンウェイ・パーク(1912年開場)に次ぎ、現役のメジャーリーグ球場として2番目の古さを誇るリグレー・フィールドは1914年に産声を上げました。このメジャーリーグ最古級球場の特徴ともいえるツタですが、球場建設当初から存在していたわけではありません。

ツタが植えられたのは1937年9月のこと。仕掛け人は、当時カブスの球団重役を務めており、後にクリーブランド・インディアンスなどのオーナーとして数々の斬新な興行を成功させた伝説のプロモーター、ビル・ヴィーク(Bill Veeck)でした。

当時、カブスは外野スタンドの全面改修工事を実施しており、新たにそびえ立ったのが頑丈なレンガ壁でした。しかし、完成した壁面はあまりにも無機質で、コンクリートとレンガの冷たさが球場の風情を損ねていたのです。そこでヴィークは、父の遺志やチューインガム王として知られるオーナーのフィリップ・K・リグレーの「ファンに美しい空間を提供したい」という思いを汲み取り、奇抜なアイデアを実行に移しました。

「レンガの無機質な壁を、生きた植物で覆い尽くせば、世界で最も美しい外野フェンスになる」――。ヴィークはピッツバーグの旧本拠地フォーブス・フィールドの外野壁に着想を得て、寒冷地シカゴの気候に適したボストン・アイビー(ツタ属)イングリッシュ・アイビー(キヅタ属)を取り寄せ、夜間に突貫で植樹を敢行しました。これが現在まで続く、カブス球場ツタの理由であり、球史に刻まれるビル・ヴィークの植樹経緯の真相です。

当時のメディア報道・掲載写真
【検証資料 1】当時のメディア報道・掲載写真(出典:sponichi.co.jp)

【魔境の独自規定】ツタにボールが入る特別ルールとエンタイトル二塁打の判定経緯

観戦初心者が最も驚愕するのが、打球が外野の茂みの中に勢いよく飛び込み、そのままボールが消失してしまうハプニングです。このような事態に対処するため、MLB公認のリグレーフィールドのグラウンドルールには極めてユニークな規定が定められています。

それがツタにボールが入る特別ルールです。フェアゾーンの打球がツタの葉の中にすっぽりと埋まり、野手が目視または捕球できない状態になった場合、外野手が即座に「両手を高々と挙げてボールを見失ったことをアピール」しなければなりません。審判員が現場を確認し、打球が植物の中に挟まって完全にロストしたと認められた場合、プレーはデッドとなり打者にはエンタイトル二塁打(Ground Rule Double)が与えられます。

ここで極めて重要なのが、エンタイトル二塁打の判定経緯における選手側の挙動です。もし外野手が慌ててツタの中に手を入れてボールを探したり、一度ボールに触れてから取り出そうとしたりした場合、「インプレー継続」とみなされます。モタモタと探している間に打者走者が三塁を回り、そのままランニングホームランになってしまうリスクを孕んでいるのです。

過去の公式戦取材データやMLB映像アーカイブを振り返ると、ツタの中に手を突っ込んで捜索した結果、ボールが見つからずに打者走者の生還を許してしまった外野手や、逆にツタから別の古い練習球がポロリと落ちてきて審判団が紛糾した前代未聞の珍事も記録されています。「ボールが消えたら絶対に探さず、両手を挙げて直立不動になる」――これがリグレー・フィールドを守る外野手に課せられた鉄則です。

【データ比較】リグレー・フィールド外野フェンスの特殊性と他球場との決定的な違い

最新のMLB球場とリグレー・フィールドでは、外野フェンスの構造や運用基準が根本から異なります。その決定的な差異を以下の比較表にまとめました。

項目リグレー・フィールド(カブス)一般的なMLB近代球場編集部の見解・評価
フェンス壁の基礎素材赤レンガ造り(1937年建設)合板・金属フレーム・コンクリート歴史的遺産としてレンガ壁自体が保護対象
表面の保護クッション原則なし(ツタの葉・ツルのみ)厚さ5〜10cm前後の衝撃吸収ウレタンパッド衝突時の危険度はMLB全30球場の中で群を抜く
ボール紛失時の独自ルールツタへの飛び込みでアピール時二塁打ラバー隙間に挟まった場合のみ適用植物の生育状況で判定頻度が変動する唯一無二の環境
季節による外観変化4月:茶色の枯れ枝
6〜8月:深い深緑
10月:鮮やかな紅葉
人工素材のため年間通じて一定季節の移ろいをグラウンド上で直接体感できる
活動歴および当時の関連ビジュアル記録
【検証資料 2】活動歴および当時の関連ビジュアル記録(出典:cdn-ak.f.st-hatena.com)

【実態検証】利用者の生の声と現場目線で見えたリアル

テレビ画面越しにはのどかに映るリグレー・フィールド外野フェンスですが、グラウンドに立つ外野手たちにとって、そこは極度の緊張感を強いられる戦場です。

「遠目には柔らかいクッションに見えるかもしれないが、実態はただの硬いレンガ壁。ジャンピングキャッチで激突すれば骨折や脳震盪に直結する」――。歴代の名外野手たちがメディアのインタビューで一様に口を揃えるのが、カブス外野レンガ壁の歴史が生み出す恐怖感です。日本からMLBへ挑戦した日本人外野手たちも、リグレー・フィールドへの遠征時にはフェンスまでの歩幅とクッションの無さを入念に確認することが恒例となっています。

また、現地シカゴのファンコミュニティやSNS上では、ツタの成長度合いが毎年の風物詩として熱心に語り合われています。 「4月の開幕シリーズはまだ葉が生え揃っておらず、茶色いツルと赤レンガがむき出しで痛々しい」 「メモリアルデー(5月下旬)を過ぎてようやくツタが青々と生い茂り、シカゴに本当の夏が来たと実感する」 球場を訪れる地元観客にとって、ツタは単なるフェンスの装飾ではなく、シカゴの季節の巡りを告げる天然のカレンダーとしての役割を果たしています。

一般に知られていない盲点とネットの誤解|「ツタはクッション」という大間違い

ネット上のQ&AサイトやSNSで頻繁に見受けられる最大の誤解が、「ツタが生い茂っているから外野手が激突しても衝撃が和らぎ、クッションの役割を果たしている」という言説です。断言しますが、これは完全な誤りです。

ツタの葉やツルに衝撃吸収能力はほとんどありません。茂みの奥には、1937年に組まれた頑丈な赤レンガが何層にもわたって鎮座しています。時速30キロ近いスピードで打球を追う外野手が衝突すれば、コンクリート壁にぶつかるのと同等の衝撃が身体を直撃します。

では、なぜ選手会から安全対策の要望が出ているにもかかわらず、最新のソフトラバーフェンスを設置しないのでしょうか? そのカブス本拠地ツタの真相には、シカゴ市の法的な保護指定が関わっています。リグレー・フィールドは2004年に「シカゴ市歴史的建造物(Chicago Landmark)」に指定され、さらに2020年にはアメリカ合衆国内務省から「米国国家歴史登録財(National Historic Landmark)」に認定されました。この厳格な法的枠組みにより、外野のレンガ壁とツタを撤去・改変することは法律上厳しく制限されているのです。

公の場での発言・インタビュー報道記録
【検証資料 3】公の場での発言・インタビュー報道記録(出典:baseballchannel.jp)

【プロの結論】クラシックボールパークを満喫するための観戦基準

近代的なドーム球場や開閉式ルーフを備えた最新鋭スタジアムが標準化する時代において、100年以上の歴史を宿すリグレー・フィールドは、観戦体験そのものにおいて明確に向き・不向きが分かれます。

◎ この球場の魅力を120%満喫できる人

  • ベースボールの歴史と伝統美を肌で感じたいファン:最新のデジタル演出よりも、手動スコアボードや風に揺れる本物のツタにノスタルジーを感じる方。
  • 季節の移ろいと一体化した観戦を楽しみたい人:春の冷たいミシガン湖からの浜風や、夏場の鮮やかな緑、秋の紅葉など、自然と調和したボールパークを愛せる方。
  • 野球の珍プレー・グラウンドルールに知的好奇心がある人:ツタに飛び込む打球やフェンス際の攻防など、特殊ルールが絡むプレーに興奮できる方。

▲ 慎重に検討・理解しておくべき観戦条件

  • 冷暖房完備の快適性と完全バリアフリーを求める層:1914年開場の古い構造ゆえに、座席幅が狭く、柱で見切り席が発生するエリアが存在します。
  • ハイテクな巨大ビジョンと爆音音響を楽しみたい人:近代化改修は進められたものの、球場全体のデザインコンセプトは歴史的保存が最優先されています。

【2026年最新動向】カブス球場ツタの現在と未来への継承

近年、リグレー・フィールドでは「1060プロジェクト」と呼ばれる総額数億ドル規模の大規模改修工事が完了し、クラブハウスの近代化や座席の補修が進められました。しかし、どれほど設備が最新鋭に刷新されようとも、外野のレンガ壁とツタだけは不可侵の聖域として守られ続けています。

現在、球団専属のグラウンドキーパーチームは、オフシーズン期間中もツタの根元の土壌改良や剪定作業をミリ単位で管理しています。特に近年の気候変動による寒暖差から繊細なツタを守るため、最新の灌漑システムや日照管理技術が導入され、伝統の外観を損なうことなく次世代へ継承する取り組みが続けられています。カブス球場ツタの現在は、1930年代のクラシカルな美観と、2020年代以降のアグリサイエンスが融合した奇跡の空間となっているのです。

【カブス 球場 ツタ】に関するよくある質問(FAQ)

Q1:植えられているツタの植物学的な種類は何ですか?毒性はありませんか?
A1:主にボストン・アイビー(ツタ属 / 日本のツタと同属)イングリッシュ・アイビー(ヘデラ属)が混合して植えられています。ツタウルシ(Poison Ivy)のような毒性やかぶれを引き起こす植物ではないため、選手やスタッフが触れても皮膚に害はありません。

Q2:外野手がツタの中のボールを手で引っ張り出して返球した場合はどうなりますか?
A2:一度手を入れてボールを探したり取り出したりした時点で「捕球動作」および「インプレー」と判定されます。審判に対して即座に両手を挙げてボールを見失ったアピールを行わなかった場合、エンタイトル二塁打は適用されず、プレーはそのまま継続されます。

Q3:なぜ選手が怪我をするリスクがあるのに、レンガの前にラバーフェンスを貼らないのですか?
A3:リグレー・フィールドが米国の国家歴史登録財(National Historic Landmark)およびシカゴ市のランドマークに指定されているためです。レンガ壁とツタは歴史的建造物の根幹をなす要素と規定されており、景観を損なう恒久的な保護クッションの設置は文化財保護法によって禁止されています。

まとめ:時代を超えて息づく「生きたモニュメント」が教える野球の深み

カブス球場のツタは、単なる外野フェンスの飾りではありません。1937年に無機質なレンガ壁を美しく彩るために植えられたこの植物は、1世紀近い年月を経て球場そのものと一体化し、ベースボールの奥深さを象徴する「生きた文化財」となりました。

ボールが茂みに消えた瞬間に両手を挙げる外野手の姿、初夏の光に輝く青葉、そして秋のプレーオフ争いで色づく紅葉――。合理性と安全性が最優先される近代スポーツビジネスの中で、時に選手を危険に晒しながらも伝統を守り抜くリグレー・フィールドの姿勢は、私たちがスポーツに求めるロマンの本質を教えてくれます。シカゴ・カブスの試合を観戦する際は、ぜひ外野フェンスに広がる緑のグラデーションと、そこに秘められた歴史に思いを馳せてみてください。 (出典: カブス 球場 ツタ(Yahoo!ニュース)

カブス 球場 ツタ
カブス 球場 ツタ
カブス 球場 ツタ